「十和田湖の周り   2022.09
    
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 十和田湖は秋田と青森にまたがっています。岩手からは高速道を使えば割合近いのですが、冬季は閉ざされる区間も多く、まだ通ったことのない道や観光ポイントもいくつかあります。また何十年か前に行ったものの、もう一度そこがどうなっているのか見たいところを巡ってみます。最後は定例になった舘鼻岸壁の朝市に寄ります。

 こちらは青森県の南部、秋田県境に近い山間にある古遠部(ふるとおべ)温泉です。この数日前にTV放映があったので昔行ったことがあるのを思い出して再訪してみることにしました。内部は撮影禁止の掲示があったので外観だけになります。
 前回は宿泊したのですが、県境から秋田側の小坂町に出張があって、その際の宿に選びました。今も昔と変わらずあまり近代化されていなくて、他にあまり例のない泉質で豊富な湯量が湧き出ています。
 藪で見えないのですが、宿の建物の右側に浴場があって、そこからあふれ出た湯から沈積した錆色のドームが下方に広がっています。浴室内も同じような沈積物で床が覆われていて、地元の方々でしょうか、豊富にあふれ出る湯の上に寝転がって過ごしています。
 湯の質としては県境を秋田に越えた奥(奥)八九郎温泉とそっくりです。そのレポートはこちらからご覧ください。
 古遠部温泉で気持ちよくなった後は、これも昔訪ねたことのある 久吉温泉に向かいます。久吉ダムのさらに奥にあります。久吉ダムのすぐ下にはPキャンに使えそうなトイレ付きの駐車場と園地が、上下2段にわかれてあります。
 久吉温泉は、私が前回1993年に訪れたあとに「久吉温泉自然休暇村たけのこの里」として生まれ変わりしばらくはにぎわっていたようです。ですが何年か前に休業して現在は開口部に合板を貼った状態になっています。センターハウスの他にキャンプ場・遊具・多数のコテージが今も使えそうな状態で残っていますが、草刈りも行われていないようでこのまま朽ちてゆくのかもしれません。 でも近年のキャンプブームで利用者が戻ってはこないのでしょうか。 少し陽が傾き始めて、千と千尋の神隠しで「おとうさん、帰ろうよ!」といった異世界に入りそうな雰囲気もあり、久吉温泉の源泉跡を確認するだけにしました。
 ここがかつて掘っ立て小屋の中に湯舟があった久吉温泉跡です。建屋は完全に無くて、浴槽の縁も確認できません。もしかするときれいに清掃すれば入浴可能になるのかもしれません。私が地元住まいでしたら労力奉仕で復活させようとするかもしれません。ここで一句。
 夏草や 昔の湯小屋が 夢のあと
 ビデオアーカイブを開いてみました。当時の8ミリビデオから切り出した写真です。
 こちらは1993年5月の久吉温泉です。背景等から上記の温泉と同じ場所のようです。小川のほとりに掘っ立て小屋があり、他の車も集まっています。
 外壁板には交通安全の看板を流用してあったり、手書きの「無料入浴 ひさよし温泉」との看板や「ご自由にご使用ください」「火の用心」等も書かれていて、秘湯好きの関心をくすぐります。
 内部には入浴用品もあり、浴槽の底からお湯が湧き出ていてそれが入浴適温らしく、周りに蛇口等はありません。早速親子三人で入ってみました。浴槽の底には石が敷き詰めてあり、持ち上げてみたところです。  
 周辺の林道の略図がありました。この図によると国道4号方面(奥入瀬渓流経由?)の自動車通行可能な林道があるようですが、2022時点で国土地理院の地形図を見たところでは歩道も記載されていないようです。でもルート付近に白地湿地帯というところがあって、写真に切り替えてみると木道も整備されているようでもあり、いつか行ってみたいところです。
 日没が迫ってきましたので、この日のお宿に向かいます。Pキャン候補としては、トイレのある駐車場なので、十和田湖の北側にある御鼻部山展望台を目指しました。
 標高が1000m以上あり、開けた高所の駐車場を期待して坂道をどんどん登ってゆくと、樹間に岩木山方面へ沈む夕日が見えました。が、木立が多く見晴らしはあまり良くありません。展望台に着いて上がってみるとそれなりに視界は開けますが、駐車場の周りは森だけです。国道番号102ですが、狭くて通行量も少なく、次のPキャン候補子ノ口へ向かいます。
 十和田湖の子ノ口は、休屋地区に次ぐ観光ポイントで、宿泊施設はありませんが、奥入瀬渓流の入り口と分岐点になっています。観光船の船着き場やバスターミナルもあり、冬季でも24時間利用可能なトイレもあります(リンク先写真右の建物)。
 日中はにぎわうのかもしれませんが、日が暮れると観光施設の当直の方らしい灯りだけが残る静かな湖畔となります。駐車場には車はおらず、Pキャンも大丈夫です。
 広い水面が広がる水際ということで、三陸沿岸にすむ私には津波は大丈夫?と考えてしまいます。 でもここは湖で、十和田湖生成時のような天変地異が起こらない限りは大丈夫と思われます。
 快晴の朝に湖畔の景色を楽しんだ後は、移動して宇樽部からR454を通って間木の平グリーンパークにある道の駅しんごうで朝食にします。
 道の駅は後付けのようで、だいぶ以前からグリーンパークはあって立ち寄った記憶があります。広範囲にオートキャンプ場などが点在しています。
 大石神(おおいしがみ)ピラミッドという案内板がありましたので国道をそれて向かってみます。
 でも、ピラミッドというとエジプトの巨大な石造りの構造物を思い浮かべるのですが(Wikipediaにもその筋の解説)、どうやら定義はそうではないようです。
 「ピラミッド」構成する石が、正しく方角を示したり稜線が北極星を指すなどの条件があるとの案内板の説明です。(少々見にくいのですが右写真参照。見やすく色調整)
 洋風のイメージがありますが、入り口には鳥居が立っています。
 遊歩道の岩の間を、少々冒険しながら太陽石・方位石・星座石・鏡石と巡り、一周するのに10分ほどでしょうか、ピラミッドを歩いて観察してきました。
 近くにはキリストの墓というのもあります。建立に当たっての説明にイスラエル大使館の名もあります。不勉強で申し訳ないのですが、ユダヤ教はイスラエルの多数派で、キリスト教はごく少数のようですが、キリストの墓はユダヤ教の管轄なのでしょうか。

 直接関係はありませんが、世界の国家間では宗教を原因とした対立で、自分の信じる神が唯一だと勘違いして他者を殺傷する例があります。何のための宗教なのでしょうか。他教徒を敵視・無視・排斥するような宗教は無い方が良い。この時点の時事問題でいうと文科省から「解散命令」を出すべきです。
 前日のテレビで紹介されていた五戸町にあるダリア園を見学します。様々な名前が付けられてたくさん咲いています。
 ダリアというと通り一遍の赤い花しか思い浮かびませんでしたが、みなさん情熱をもって品種改良・開発に取り組んでおられるようです。宮沢賢治の作品にダリヤに関するものがあったのを思い出しました。
 国道4号を南下して さくらんぼの里 名川チェリーセンターに寄ります。新鮮な季節の農産品が安価に大量に売られていて、次々に車がやってきます。
 ねらいめはB品で、桃4個・ネクタリン数個・ブルーベリー1Pが皆100円、洋ナシ8個くらいで200円等々。ツアー中に食べたりお土産にしたりします。隣にミニストップがあって、マンゴーソフト?もいただきます。

 4号線上の次のポイントは 三戸城址です。資料展示の懐古館と併せて見学します。ほぼ山の頂上に位置していて車で乗り付けることが出来ます。神社もあります。
 国内には現存する何倍もの数の城があったようですが、多くは城跡となり、天守や本丸が残っているものはごく少数です。でも復元されたところも多くあります。復元は鉄筋コンクリート造りが多く、こちらもそのようです。

 懐古館には南部氏のお城相関図(下図)がありました。岩手の城では一番行くのが遠野市の鍋倉城址です。盛岡城は天守閣の復元に向けた資料集めが行われているようですが難航しています他に現地に行ったことがあるのは九戸城・根城・花巻城ですが、他も行ってみたいところです。
 名古屋城の復元された本丸や首里城(焼失前)も見学したことがありますが、並々ならぬ努力があって復元されるようです。名古屋城の天守閣もバリアフリーにしてしまっては本当の復元にはならないということで議論がされているようです。
 周辺には城跡の用地に運動広場等の施設や散策路と周回できる車道などもあり、憩いの場になっています。反面維持管理は大変かなとも思います。
 4号から西に入って田子町のガーリックセンターで昼食をいただきます。昼食は田子町のガーリックセンターへ移動していただきます。看板メニューはガーリックステーキご飯です。小さな寿司飯と 焼肉と 食する順番が推奨されている小皿を見た目も楽しくいただきます。

 また4号に戻って少し岩手県に入り、カダルテラス金田一でお風呂をいただきます。気持ちよくなった後は今宵のお宿に選んだ階上岳の頂上近くに向かいます。
 頂上付近にはキャンプ場や電波塔や広場や立派なトイレ棟がある駐車場があります。海に近い独立峰なので眺望を期待していたのですが、霧がかかって見通しが悪いのと、樹木にさえぎられて残念ながら夜景や漁火を眺めながらのPキャンとはいきませんでした。
(右は駐車場とトイレ棟)

 左写真の道標は何の案内かわかりますでしょうか。みちのく潮風トレイルこの区域の地図はこちら 32Mb)の要所に打ち込まれています。原則として海岸線を辿るルートが多いトレイルですが、片道10km以上を迂回させて標高700m超の高さまで、旅人に足を運んでもらう例は全行程の中でもここだけではないでしょうか。そうまでしてもここを見てもらいたいという地元の思い入れがあったのではないでしょうか。  
↑ 一方、こちらは同トレイルが釜石市を通過する部分のマップ北部です。釜石市内のトレイルで見どころとすれば、御箱崎の千畳敷が随一と思います。このマップの表面には項目として記載されていますが、肝心のトレイルルートに含まれていません。なぜ含めるように調整を図らなかったのでしょうか。チャーター船でしかたどり着けず、しかも上陸は基本禁止の三貫島ですが項目が載っています。ついでに言えば尾崎半島先端の尾崎灯台もルートに入れて遜色ない所です。
 駐車場の車止めから未舗装の車道を数十メートル進んだところに大開平休憩所があります。内部はご覧のように貸別荘かキャンプ場のコテージかという造りで、明かりも点きます。初日の出の際にはにぎわうそうです。隣接して旧避難小屋も残っていて、満員の際には使えそうです。そちらは山小屋としては東北では一般的なレベルです。
 翌朝は舘鼻岸壁朝市です。いつもながらの賑わいですが、やや遅く行くとお目当ての物が無かったりします。今回岸壁に停泊していた船の多くは前後の甲板上に2本の支柱があってその間にワイヤーが張ってあり漁網か魚袋を吊り上げて移動させる構造になっていました。季節終盤の桃はひと箱30個くらい入って900円で買ってきました。今回も各所充実したツアーでした。